さんど

エルフのお姫様と汚いオークの入れ替わり続き　の続きです
バッドエンドストーリーさんのオーク入れ替わり見て
描きたくなったんで描いてみました・３・


ダークなんで注意してくださいっっっ（＞＜）


オレは、オーク
昔、悪さをしてエルフに捕まって
美しいエルフお姫様のペットにして頂いた
愚かでそして幸せなオーク

このお城のみんなはオレを蔑んだ目で見るけど
お姫様は醜いオレを守ってくれて
こんなオレを大事に可愛がってくれる

エルフのお姫様は優しくて、キレイで・・・
醜い化け物のオレとはまるで違う

オレは１年位前からこの城に住んでるけど
この城に入る前の事はあまり覚えてない
城に入ってから暫くの事も覚えてない
でも、このお城にはずっと昔から住んでた気がする

覚えてないのはきっとオレがバカだからだ
でもお姫様はバカな子ほど可愛いって
言ってくれるから、それでいいんだ

昔を思い出すと心が少しポカポカするけど
その後とても悲しい気持ちも沸き上がってくるから
あまり思い出さないようにしている

「プリンセスちゃん、ごはんのお時間よ？」

ああ・・・あの綺麗な声はお姫様の声
お姫様の優しい声を聞くと安心する
オレは自分の声が大嫌いだけど、お姫様の声は大好きなんだ

「ウフフ、プリンセスちゃんもすっかり立派なオークになったわね」

お姫様がオレを褒めてくれた、嬉しい
オレを立派なオークって言ってくれた・・・、嬉しい
嬉しい？・・・嬉しい？
嬉しい？

「・・・・・・・」

「・・・なんか、つまんねぇなぁ」

つまらない？お姫様、何がつまらないのだろう？
オレは不安になる

「現実に耐えれなくなって、心が壊れちゃって・・・
　自分をオークだと認識して、俺をお姫様だと慕ってやがる
　最初は壊れたコイツを見るのも面白かったが
　張り合いがねぇぜ・・・」

ドクンッ
胸が痛む
お姫様が乱暴な言葉を使って
つまらなそうな目でオレを見下す
・・・胸が凄く痛くなる・・・

その顔や声でそんなのしないでほしい
お姫様にあってない、全然あってない
そして・・・・・・・返して返してって心が訴えてくる
でも・・・・・・オレは何を返して欲しいんだろう？
わからない

オレはなんで悲しいんだろう？
大好きなお姫様がオレを見下した目で見てるから？

いや・・・そんなことじゃない
もっと大事な・・・もっと・・・
でも、わからない・・・考えたくない、わからない
わからないわからないわからないわからないワカラナイ

「まぁ、いい・・・コレはコレでまだ楽しめる
　クク、この俺に憧れてて・・・俺の言うことなら何でも聞くしな・・・
　・・・ねぇ、プリンセスちゃん
　今日は、この服を着てくれる？
　私が、今の私になる前に、凄く気に入ってたドレスみたいなの
　少女趣味が滑稽で今の私にはぜんぜん興味ないんだけど
　それでも、アナタならきっと気にいるはずよ
　今のアナタにもピッタリ合うように大きく作りなおしたから
　きっと着られるはずだわ」

お姫様はオレに可愛いドレスをくれた
やっぱりお姫様は優しい
ヒラヒラしていてキラキラしていて
とっても私好みなドレス
ひと目で気に入った
可愛くて懐かしいドレス
お父様とお母様が誕生日にくれたドレス
もう一度だけ着たかったドレス
オレはオークで男で醜い魔物だけど
このドレスを着れるのが凄く嬉しい

「あら？・・・プリンセスちゃん・・・涙が・・・？
　フフ・・・どうして・・・泣いているの？」




オレはいつの間にか涙が出ていた
どうして涙が出たのかわからない

最初は嬉しいからだと思った・・・
嬉しい時も涙がでるのよって、大事な誰かが昔、優しく教えてくれた
けど・・・これは嬉しいからとは違う涙


きっとこのドレスはオレには絶対に似合わない
そう考えたら悲しくなった

オレは醜い化け物だから
もし、お姫様なら・・・お姫様は美しく綺麗でみんなから愛されているエルフのお姫様だから
お姫様ならきっと似合うけど
醜いオレには絶対似合わない
オレ、お姫様みたいに可愛いお洋服が似合う女の子になりたい・・・
オレもお姫様みたいになりたい
・・・こんな、こんな、醜いオークがオレだなんていやだ、いやだよぉ・・・

そう思うと・・・悲しくて・・・悲しくて・・・悲しくて
オレの目からさっきよりも涙がボロボロこぼれ落ちた
お姫様は、そんなオレを見て、・・・微笑んでいた
とても優しい笑顔なのに、オレはその笑顔を見て胸が締め付けられるように痛くなった